ゴミ屋敷の清掃を依頼する際、消費者が最も厳格にチェックすべきは、その業者が「産業廃棄物収集運搬業」の許可を取得しているかどうかという点です。インターネット上には数多くの清掃業者が存在しますが、実はその多くが一般廃棄物や産業廃棄物の収集運搬許可を持たず、提携業者への丸投げや、無許可での違法収集を行っているという厳しい現実があります。廃棄物処理法では、他人の廃棄物を運搬するには、その自治体の知事や市長からの許可が必要ですが、ゴミ屋敷から出るゴミは多種多様であり、特にエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目や、事業用什器、多量の建築廃材などは産業廃棄物の区分に含まれることが多いため、産業廃棄物の許可なしにこれらを運ぶことは明白な違法行為となります。無許可業者に依頼してしまった場合、排出者である住人にも「委託基準違反」という罰則が適用される恐れがあり、最高で5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられるという非常に重い法的責任を負うことになります。また、産業廃棄物の許可を持つ業者は、定期的な講習受講や適正な車両の保有、そして財務状況の審査をパスしているため、基本的なコンプライアンス意識が高いことが期待できます。一方で、許可を持たない業者は、不法投棄によって処理コストを浮かせ、格安な見積もりを提示しますが、その後のトラブルについては一切責任を取りません。ゴミ屋敷の現場では、想定外に多くの産業廃棄物が出てくることが常であり、その場で臨機応変に、かつ法に則って対処できるのは許可業者だけです。見積もり時には必ず「許可番号」を確認し、可能であれば許可証の写しを提示してもらうことが、自分自身を法的なトラブルから守る唯一の防衛策です。産業廃棄物というデリケートな存在を扱う以上、価格の安さよりも「法の裏付け」があるかどうかを最優先に考えるべきです。適正な許可業者は、清掃後の安心を「マニフェスト」という形ある書類で証明し、住人が新しい人生を清々しい気持ちで始められるよう、法的な盾となって支えてくれるのです。
ゴミ屋敷清掃における産業廃棄物収集運搬業の許可の有無と法的責任