私は今でもあの引っ越し当日の朝、空っぽになったはずの部屋に立ち尽くした瞬間の、心臓が凍りつくような感覚を忘れることができません。一人暮らしを始めて五年、仕事の忙しさを言い訳に掃除を後回しにし続けた結果、引っ越し当日に荷物が全て運び出された後に現れたのは、もはや人の住まいとは思えないほど汚い、ゴミと油と埃の迷宮でした。ベッドが置かれていた場所には黒カビが点々と広がり、冷蔵庫をどかした後の床には、いつの物とも知れない液体の跡が固着して、まるで現代アートのような不気味な模様を描いていました。引っ越し業者の人たちが「お疲れ様でした」と爽やかに去っていった後、私は一人、そのあまりにも汚い光景を前にして、一時間後に予定されている大家さんとの立ち会いをどう乗り切るか、その絶望的な問いに押し潰されそうになりました。手元にあるのは、使い古した雑巾一枚と、半分空になった食器用洗剤のみで、この装備で戦場に挑むのはあまりにも無謀でしたが、泣いても笑っても時間は止まってくれません。私はなりふり構わず、キッチンの換気扇にこびりついた、琥珀色に固まった油汚れに爪を立て、食器用洗剤を原液のまま塗りたくり、浴室のシャワーを最大出力にして床の汚れを剥がそうと試みました。しかし、五年の歳月が作り上げた汚れの層はあまりにも厚く、拭けば拭くほど汚れが広がり、部屋中に異臭が立ち込める始末で、私は自分の自堕落さを呪い、なぜもっと早く準備を始めなかったのかと激しい後悔の念に駆られました。結局、大家さんが来る直前まで、私は汗だくになりながら膝をついて床を磨き続けましたが、完全に綺麗にすることは叶わず、立ち会いの際には大家さんの眉間に刻まれた深い皺を直視することができませんでした。管理会社からの厳しい指摘と、後日送られてきた法外なクリーニング代の請求書は、私の甘すぎる考えに対する手痛い授業料となり、新居での生活は、まずは徹底的な掃除用品の買い出しから始まることになりました。引っ越し当日に部屋が汚いという状況は、単に掃除が大変だという物理的な問題だけでなく、自分のこれまでの生活の乱れを突きつけられ、精神的に深い傷を負う事件であり、これから引っ越しを控えている全ての人に、私と同じ地獄を見ないよう、今日この瞬間からでも雑巾を持つことを強く勧めたいと思います。
汚い部屋のまま引っ越し当日を迎えた私の地獄のような一日